痛みは広がっていくことがあり、 ストレス(不安、抑うつ、怒り)と関係があります。
疲労感、冷感、強ばり、脱力、ふらつき、睡眠障害、乾燥、便秘、下痢、頻尿など自律神経症状を伴うこともあります。
エックス線やMRIで異常があっても腰痛のない人や、異常がないのに痛みが強い人もいて画像所見で痛みの原因を説明できるとは限らないといわれています。
また、ぎっくり腰で受診した患者のうち、治るまで安静に指導された人と、できるだけ普段の生活を続けるよう指導された人を比較すると、翌年にぎっくり腰を再発するリスクは安静を指導された患者の方が3.65倍も高かったというデータもあります。
会社員の男性が腰痛を発症、安静にしてもプールで運動しても一向に改善せず、家族と口げんかしたり司法試験の受験について不安になったりすると、その当日か翌日に痛みが増すことに気付いたなど。
痛みとストレスには関係があることをテレビ・新聞等でも紹介されています。
様々な論文で、ストレスが高まると「腰痛」が増えることが指摘されています。
原因不明の腰痛患者の脳血流量を調べると
福島県立医科大学が、原因不明の腰痛患者の脳血流量を調べたところ、なんと 7割の腰痛患者が、健康な人に比べて血流量、つまり脳の働きが低下していたのです。
アメリカのノースウエスタン大学がさらに詳しく調べると、活動が特に低下しているのは「側坐核(そくざかく)」という部分であることが分かってきました。
「側坐核」は、痛み信号が脳に届くと、鎮痛物質を働かせる命令を出すと考えられています。これによって、脳は大きな痛みを自動的におさえていたのです。
ところが、慢性的なストレスを受けると、側坐核の働きが低下。鎮痛物質に命令がいかないので、痛みがおさえられず、激痛を感じてしまうのです。
ストレスが痛みの原因を作るのではなく 小さい痛みを強めて激痛を生み出すことが分かってきました。(2011年 11月 ためしてガッテンより)
ストレスと腰痛の関係について、家で安静にしているよりも、ふだん通りの活動を続けるように住民にメディアを通じて広報したオーストラリアのビクトリア州で、腰痛患者が減少した例も紹介されています。